とおいところにあるチボー

チボーの歌を聴くことだってある。

 雨はいつかあがる

 明けない夜はない

 涙のあとには虹がでる

 あと一歩すすもう

 すべてはきっとうまくいく


そんな歌詞をきいても別に反感はない。いやな気分にはならない。

ああ世の中にはそういうこともあるのか、と思う。

 

明日へのチボー、未来へのチボー、日々のチボー

それはきっと大切なものなんだろう。

たくさんの人々を照らすあたたかな光なんだろう。

 

やむことない雨にうたれて遠くの雲の切れ間をながめる。

ああ向こうはきっと明るいのだろう。

 

明けることのない夜に空の青を想像してみる。

ああきっとすがすがしいのだろう。

 

 

とおいところにあるチボー、ぼくを照らすことのないチボー

とおくからながめるだけ。