リ・ピート

とくに涙もなく 角の丸い写真を見ていた

隣に人は 来ている来ているとしきりに言った

半分くらいは 信じてみた

 

明るい歌が変だなんて 思わない

リピートリピートリピー

 

すっかり乾いたのか

引っぱり回すのにつかれるのだ

 

いつもとちがう洗剤の匂いに 

線香の香りがまざる

リピートリピートリピー

 

久しぶりに飲むビールは麦の味が濃い

もうあの子も小学生だろう

 

目の前をうごく春がきらいだ

そう言って こびりついた汚れを引っ掻く

 

例えば何か おいしいお菓子を

ふたり並んで食べよう そうすればそれならば

リピートリピートリピー

 

抱かれるはずのない人の腕に抱かれたようなそんな夢

あと何度洗いながす

 

爪を痛めてしまってそれから

逃げるようにして

 

こびりついた汚れを

立体的なレントゲンを

つぶれてしまったおにぎりを

 

とくに涙もなく 四角い画面を見ていた

これから何を説明する

説明することなんて本当はないんだ すまないね

 

リピートリピートリピー