コルク

今 目の前にある コルクのコースターが

最期にのこるものだ

飲みきれなかった ビールのアルミ缶が

最後にのこるものだ

 

やたらと傷ついた テーブルが

俺がいなくなった後にも

捨て忘れた 薬のケースが

俺がいなくなった後にも

 

あの映画の話をしよう

あの映画の話をしようか

恰好がつく振りがしたい したいだけだ

 

ひび割れかけのコルクのコースターに

ビールだろうが バーボンだろうが

 

単調なコードの繰り返し

それが叫びに似て

 

保護されてない通信です

保護されていない…

 

塩気

氷のとけたソレ

風俗嬢の日記

チェイサー

進行する細胞

 

煩わしさ が纏わりついて

風の強い日はずっときらいなんだ

そういうものは全部いずれなくなるね

 

コルクのコースターだけが残る

そこに ビールだろうが 焼酎だろうが ワインだろうが

最期の 最後に

何が乗っていたのか 誰もが忘れる

コルクの

コースターだけが残る